breath
「あの年で主任の役職イケメン。こんな優良物件、藤崎がほっとくなんてありえない。結婚相手を探しに来ているのに」
「そうなんだ」
「主任は昔から親が決めた婚約者がいるから、いつも告白する子を断っているのに」
山本ちゃん談
「藤崎は強引で婚約者がいても構わないって迫っていた」
と藤本くん
「で主任は断ったのですか?」
確信を聞く
「主任は断ってない」
「何で?」
「そんなに主任が気になる?」
藤本くんに言われたからそれ以上聞くことができなかったここで『気になる』って言えば真実がわかったのに。私は慎重になり過ぎて口を閉ざした
その後も山本ちゃんの愚痴愚痴愚痴。皆の同情という構図が続く
樹さんは藤崎さんの被害者という立ち位置で誰一人悪口を言う人はいない
こういう場合、樹さん悪口を言われてもしょうがないけど
飲み会の終盤誰かが
「主任の婚約者可哀想。きっと藤崎にイジメられる」
なんて声が聞こえ私は凍りつく
これからどうしたらいい?
って考えると心臓がドキドキする
私は樹さんの婚約者として社内でバレたらいけない
そこだけは理解
社宅の手続きで私の名前が出ているからどこから情報が漏れるかわからない
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