【詩】《1972年04月01日ニ生マレテ》 (野いちご大賞エントリー作品)
《金/97.02.06.》


雨音が傘にあたってはね
水滴が柄を伝ってきき手をしめらす。


枝に葉はなく、すかし見るは夜空
実るは星果、光放ちつつ


真昼間、雑踏にかき消されてゆく
個々の会話
交差点を流れる人の波に乗って
談笑が意味もなく
調和、旋律めいてゆく


吹く風の湿り気を感じながら
一時のスコールに身をまかす
深みがかるgajumaruにかけまれ


満ちる潮、その新緑水(sinryokusui)
に群がる彩やかな色魚らと
manglob……が織りなす
海中森林


ましろの雪をたべたくなった
ましろにましろな
ましろを器官を通しでからだの
さきっぽのさきっぽまで
ゆきわたらしたく
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