Vanilla
「はいぃ!何でしょうか!?」

でも怖いし、反抗できなくて、先程の思考回路は何処へやら。
背筋をピシッと真っ直ぐ伸ばして意思とは真逆の態度で仕方なく応対する情けない私。

「鍵だ」

言葉と同時に目の前に銀色の鍵を摘まんで差し出された。

「早くとれ」

一秒後に苛々した声で催促の言葉が。

「はいぃ!ありがとうございます!」

なんて短気なんだと喉まで這い上がったけれど、慌てて引っ込めて鍵を受け取った。


今日から私は朝永さんの奴隷になりました。
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