Vanilla
last
あれから、しー君への送金をなんとか思い出してコンビニに駆け込んだ。
今日荷物を運び出したのは本当に良かった。

『あてが見つかりました。お世話になりました。』

朝永さんには今度こそメールを入れた。
これで全部分かるだろう。

送信を押した後、落ち着かない。
既読したのかとか、もし既読しても何も返事が無かったら嫌だなとか考えちゃって。

もう朝永さんを気にしたくなくて、電話の電源を落とすことにした。
私に連絡をくれるのは愛佳ちゃんかしー君だけだし、それにしー君も今日は火曜日だから連絡は来ないし。

その時、手に持っていたパンを思い出したが食欲が湧くはずもなく。
それにあの階段には戻れない。
私は意味もなく会社の周りをグルグル歩きながら考えた。

穂香さんには言っておこう。
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