Vanilla
「だから、そんな不器用なところが、好きなんです……」
俺を見つめたまま出てきた言葉に俺の脳みそは完全に変なスイッチが入った。
「なんか、こっちまで恥ずかしくなっちゃった……」と穂香が静かに呟いた声は俺には届かなかった。
勝手に身体が動いた。
本当は唇にキスをしたかったけれど、寸前で人前だと思い出し、こめかみに変えた。
だけど、固まる小嶋を見たら失敗したと思った。
「キャー!見せつけられちゃったー!」
煩い、黙れ穂香。と心の中で八つ当たり。
「はい、おしまい。喋ってたら食いっぱぐれそう。飯食べよ」
俺は昼食に向き直し、箸を取った。
その日、仕事が終わってマンションの最寄駅に降りると掴んでいた小嶋の手を離した。
あからさまにホッとした小嶋の顔に傷付いたが、なんとか気を持ち直し、昼間のことを訊いてみた。
「今日のアレ、何?」
「アレって何ですか?」
「不器用な俺が好きってやつ」
「私の演技、上手でした?」
笑って返されて、訊くんじゃなかったと後悔した。
俺を見つめたまま出てきた言葉に俺の脳みそは完全に変なスイッチが入った。
「なんか、こっちまで恥ずかしくなっちゃった……」と穂香が静かに呟いた声は俺には届かなかった。
勝手に身体が動いた。
本当は唇にキスをしたかったけれど、寸前で人前だと思い出し、こめかみに変えた。
だけど、固まる小嶋を見たら失敗したと思った。
「キャー!見せつけられちゃったー!」
煩い、黙れ穂香。と心の中で八つ当たり。
「はい、おしまい。喋ってたら食いっぱぐれそう。飯食べよ」
俺は昼食に向き直し、箸を取った。
その日、仕事が終わってマンションの最寄駅に降りると掴んでいた小嶋の手を離した。
あからさまにホッとした小嶋の顔に傷付いたが、なんとか気を持ち直し、昼間のことを訊いてみた。
「今日のアレ、何?」
「アレって何ですか?」
「不器用な俺が好きってやつ」
「私の演技、上手でした?」
笑って返されて、訊くんじゃなかったと後悔した。