once again
高瀬、君なのか、そうなのか…

「蓮さん?どうしたの?」

「あぁ、ちょっと待って」

俺は、夏帆さんと決着をつける為に会っていた。
今日で最後にする、と。

♪♪♪♪♪♪♪

高瀬からの電話だった。
あれから何度かけていたか、折り返しがなかったから、心配はしていたが、こんな時にかかってくるなんて…

何回かのコールに迷いながら出た。

「も、もしもし?高瀬?」

「あ、あの…」

あぁ、高瀬の声だ。この声が聞きたかったんだ。

「蓮さーん、早く来てー」

チッ

「おい、し、静かにっ…」

すみませんと、電話が切れた。
クソッ、勘違いをしたであろう、高瀬が気になった。すぐに戻ると夏帆さんに告げて席を離れた。

そして電話をかけたが、秘書の高瀬が対応してきたのが、俺はショックだった。
私は関係ありません、仕事ですよ、と言わんばかりに。

話しかけたが、電話を切られてしまった。
早く答を出さなければ…

そして、夏帆さんに打ち明けた。

「これ以上、付き合えません」

「な、何ですって!あなた、私の事を…」

「あなたとは何もなかった?違いますか?酔った事をいい事に、責任を押し付けようとしてませんか?私も確信がなく、そこは申し訳なかったと思ってますが…」

「な、何ですって!女に恥をかかせる気なの!お父様に言いつけ…」

「どうぞ、それをして困るのは鏑木さんだと、思いますが?私も手は打ってますよ、いろいろと。夏帆さんの事も申し訳ないが、聞きましたよ。その事を鏑木さんにも伝えてもいいですよ?」

そう、こんな事になるかも?と思っていた俺は、匠には内緒で行動を起こしていた。
鏑木物産が、仕掛けてきてもいいように、手を打っていたのだ。
さすがに、父親の力が使えないとわかったのか、夏帆さんはふざけないで!と俺にビンタを喰らわし帰って行った。夏帆さんの事を持ち出したのは、悪かったと思うが、そこまでしないと彼女が引かないと思ったから。

「イッて…すっげー力。お嬢様の力じゃないな」


あとは、当の本人に聞くだけだな…


俺は、高瀬に会うのが楽しみになっていた。



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