恋・愛至上命令。
アキラさんに送ってもらい、マンションに到着したのは日付がもう変わろうとした頃だった。

「・・・また連絡するよ」

いつもは額に落ちるはずのキスが今夜は唇に。

「お休みセリちゃん」

涼やかな笑顔で見送られた。




エントランスはあるけどオートロックじゃなくて、しかも3階建てだからエレベーターもない。
あまり靴音を響かせないよう二階まで階段を昇り、一番手前の部屋の玄関前に立つ。・・・深呼吸。冷静と平静を装わなきゃ。

バッグから鍵を取り出し静かに鍵穴に差し込む。ロックが外れる音がして恐る恐るドアを開くと。・・・・・・そこに凪がスーツ姿のままで立っていた。
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