ダイアログ

Sweet 記念日

甘いものは好きですか?

そうだね。

意外ですね。

どうして?

男性というのは甘いものが苦手だと聞いたからです。

へぇ。女性は甘いものを好むらしいが、君は好きかい?

そうですね・・・私は少しで満足します。

確かに、君はあまり甘いものを食べないね。

はい。特別な時にかわいいケーキが食べられるだけで幸せです。

誕生日かい?

そうです。他にもクリスマスもありますね。

そうか、クリスマスもケーキを食べるね。

はい。あと一日、もっと特別な日があります。

うーん。そんな日あったかな?

はい。ホワイトデーです。

ホワイトデーは特別かな?

えぇ。とても。

どうして?

あなたが素敵なケーキを作ってくれたからです。

あぁ。あのケーキ。あんな不格好なケーキ・・・今思い出しても恥ずかしい。

とてもとても感動したんです。甘くて幸せの味がしました。一生忘れられません。

照れるね。

あなたが作ってくれたから特別な日になりました。

そういう事か。

はい。あのケーキのお礼を作ってきました。

お礼?

はい。たこ焼きってご存知ですか?

あぁ。あの丸くて、中はトロトロしていてソースのかかった熱い食べ物だね。

そうです。あれを作ってきました。

君がかい?

はい。

すごいじゃないか。早速食べてみたいものだね。

ぜひ。こちらです。開けてみてください。

おや、マヨネーズもかけてくれたのか。

はい。マヨネーズをかけると美味しくなるそうなので、かけました。

いいね。では早速いただきます。

ふふ。

ん・・・?!

どうですか?

び、びっくりした。これは何だい?とても甘いけど。

驚きましたか?これはホットケーキを丸く焼いて、チョコをかけたものです。

どおりで甘いわけだ。でもどうして?

今日は何日ですか?

えーっと、4月1日だね。

はい。4月1日です。

あ。

そうです。

エイプリルフールか。

はい。

全く気付かなかったよ。嘘がうまいね。

私はたこ焼きを作ってきたという嘘しかついていませんよ。

・・・。

あなたにもらった特別な思い出のお礼というのは本当です。

そうか。

はい。私はあなたにもらった物全てが特別ですから。

いつもありがとう。君はいつも僕を愛してくれているね。

いいえ、あなたが私を愛してくれているのです。

はは。なるほど。もう少しこっちへ来てくれないかい?

はい。これくらいですか?

もう少し。

・・・!

なんだかキスをしたいと思ってしまったんだ。

びっくりしました。

驚かせてごめん。

いえ。とても甘くて、今日もまた特別な日になりました。ありがとうございます。
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