君を借りてもいいですか？

確かに結婚願望は全くない。だけど、まさかこんなことを頼まれるとは思いもしなかった。

どうする私。

だって恋人のふりをするって簡単にいうけど、手を繋いだり、仲良さそうにしたりするだけじゃ無い。

白石さんがどんな人か理解していなきゃいけないし、相手を理解する必要がある。

もちろんそれは私の事もだ。

しかもバレないように自然な立ち振る舞いが必要だ。

そんなこと私にできるわけない。

頭がぐちゃぐちゃでまともに考えられなくなった私はとりあえず持ち場に戻ろうと立ち上がる。

すると今度は私のスマホが鳴った。

今度は何？

苛立ちながらスマホを確認すると圭子からのLINEだった。

そこには、圭子が紹介してくれるという男性の画像と簡単なプロフィールが記されていた。

「アチャ〜！こっちもあったんだ〜」