今日も今日とて、告りますのでご覚悟を。


水瀬さんって何気にお洒落だよなぁ。

自分の体形やルックスの良さを分かってて、それに合わせているって感じ? いや、かっこいいから何でも似合ってしまうのか。

気に入った洋服を試着して、ガッカリすることとかないんだろうな。

パンツの裾上げだってしたことないはず……。


「行くか」

「あ、はい。でもどこに?」

「着いたら分かる」


水瀬さんは、くるり方向を変えて歩き出した。

そのあとを追う様に私も続く。

時刻は夕方の5時。街はクリスマスから一気に年末モードに入り、おせち料理や門松といった和風のポスターが並び、どこか浮ついた雰囲気に包まれている。

すれ違う人たちが、水瀬さんを見る。

そりゃそうでしょう、かっこいいもん。こんなかっこいい人とデートできるなんて夢みたいだけど、現実で。

私だって周りの人同様浮つきたいのに、なぜだか歩くのに必死で。

水瀬さんは、私から逃げているのでは? と思うくらい早歩くで進んで行く。

あれ、デートってこんなに息切れするものでしたっけ? 

あれ?

膝に両手を当てて前かがみになったほんの僅かな間に、水瀬さんの背中が視界から消えた。

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