今日も今日とて、告りますのでご覚悟を。


「いつかは分からん。気が付いた時には、だな」

「少なくとも年末にデートした時は、そんな感じじゃなかったですよね」

「あれはデートじゃない」

「(まだ言うか)」

「企画がダメになって会議室で泣きそうになってたことがあっただろ? あの時には、うん」


あぁ、あれね、水瀬さんに呼び出されて、話をして、力になれなかったことが悔しくて泣きそうになったところ、後ろから抱きしめられたんだっけ。

やだ、思い出しただけで胸がキュンとする。

あの時にはもう……。

でも、待って。


「じゃあ、どうして早く言ってくれなかったんですか? 私、あの後、諦めかけたんですよ。もう無理かなって。でも最後に告白しておこうと思って、私が言わなかったら今もすれ違ったままでしたよ」

「企画が全部終わった後に言うつもりだった」

「そんな悠長な。その頃には私の気持ちが変わっているかもしれないじゃないですか」


お酒のせいもあってか、ついつい責め口調になってしまう。

そんな私を宥めるように肩を抱き寄せた水瀬さんは、


「あいにく俺が信じた女は一途な奴でさ、その心配は全くない」


と、耳元で囁いた。

なんたる自信、なんたる余裕。

悔しいような、嬉しいような、でも当たっているから反論の余地もなく。

頷いた私に、彼は優しく微笑んだ。




【今日も今日とて、告りますのでご覚悟を】

FIN



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