今日も今日とて、告りますのでご覚悟を。


「いつかは分からん。気が付いた時には、だな」

「少なくとも年末にデートした時は、そんな感じじゃなかったですよね」

「あれはデートじゃない」

「(まだ言うか)」

「企画がダメになって会議室で泣きそうになってたことがあっただろ? あの時には、うん」


あぁ、あれね、水瀬さんに呼び出されて、話をして、力になれなかったことが悔しくて泣きそうになったところ、後ろから抱きしめられたんだっけ。

やだ、思い出しただけで胸がキュンとする。

あの時にはもう……。

でも、待って。


「じゃあ、どうして早く言ってくれなかったんですか? 私、あの後、諦めかけたんですよ。もう無理かなって。でも最後に告白しておこうと思って、私が言わなかったら今もすれ違ったままでしたよ」

「企画が全部終わった後に言うつもりだった」

「そんな悠長な。その頃には私の気持ちが変わっているかもしれないじゃないですか」


お酒のせいもあってか、ついつい責め口調になってしまう。

そんな私を宥めるように肩を抱き寄せた水瀬さんは、


「あいにく俺が信じた女は一途な奴でさ、その心配は全くない」


と、耳元で囁いた。

なんたる自信、なんたる余裕。

悔しいような、嬉しいような、でも当たっているから反論の余地もなく。

頷いた私に、彼は優しく微笑んだ。




【今日も今日とて、告りますのでご覚悟を】

FIN



< 197 / 197 >

ひとこと感想を投票しよう!

あなたはこの作品を・・・

と評価しました。
すべての感想数:102

この作品の感想を3つまで選択できます。

  • 処理中にエラーが発生したためひとこと感想を投票できません。
  • 投票する

この作家の他の作品

表紙を見る 表紙を閉じる
派遣社員 兼 小料理屋女将 夏川 百花(ナツカワ モモカ)27歳 × KIRIGAYAグループ常務取締役 桐ケ谷 律(キリガヤ リツ) 32歳 ※―――――――――――――※ 恋愛よりも、今は守りたいものがある。 そんな百花に、ある日突然プロポーズしてきたのは、 派遣先であるKIRIGAYAグループの御曹司でした。 しかも、その結婚は…… \期間限定の契約結婚ですって?/ 「……常務」 「覚悟を決めたか?」 常務の問いかけに、私はゆっくりと頷いた。 「誠に不本意ではございますが、その求婚お受けいたします」 ※――――――――――――※ どうして、こんなにドキドキするんだろう? 偽者の妻だと分かっているのに、気付けばどんどん好きになってしまう。
雨宮社長の専属秘書は気苦労が絶えません

総文字数/58,212

恋愛(純愛)79ページ

表紙を見る 表紙を閉じる
△あてんしょん△ この作品は「第1回comic Berry’sマンガシナリオ大賞」エントリー作品です。 シナリオ形式になっているため、会話文多めで進んでいきます。 ** ** ** ** 「社長の好きなようにしてください!」 「入社初日から大胆だな」 それは偶然の出会いから始まった シンデレラブコメディ こだわりが強くて 子供っぽくて 私が居ないと何にもできない だけど 優しくて温かくて 寂しがり屋なあなたに恋をしました―― ** ** ** ** 花里陽和(はなざと ひより) 23歳 学歴なし・職歴なし・資格なしの就職難民。 アルバイトをしながら、弟3×妹2の面倒をみている苦労人。 世話焼き過ぎる性格ゆえ、自ら苦労を引き寄せている節がある。 雨宮瑛士(あまみや えいじ)32歳 絵に描いたようなエリート人生を歩む御曹司。 仕事は有能だが、生活面は無能だと社員に言われるほど、 身の回りのことは自分で何もできない。 そのくせ、こだわりが強く子供っぽい性格。 ※1章、2章加筆&編集しました(2019.08.08) ※3章加筆&編集しました(2019.08.09)
あしたの星を待っている

総文字数/101,819

恋愛(純愛)171ページ

表紙を見る 表紙を閉じる
ずっと見ていたから何となく分かるよ 男が苦手なんでしょ 嫌がることはしない、大事にする はじめてできた彼氏は、誰もが羨む人気者 優しい彼に愛されて、私のトラウマは消えるはずだった +―――――――+ お前、本当に幸せなのか? ほっとけるわけないだろ、こっちを向け! 窮屈な暗闇の中で生きる私に、 明日への光を見せてくれるのは、誰――。 +―――――――――+ 2年前のある事件をきっかけに男性恐怖症になっている花菜は、 トラウマを克服しようとバスケ部の先輩と付き合ってみることに。 しかし、先輩は外面が良いだけのモラハラ男だった。 先輩との関係に悩む花菜。 彼女をいつも助けてくれるのは、幼馴染の瑠偉だが、 瑠偉とは2年前の事件のせいで、気持ちにすれ違いがあり素直になれない。 先輩と瑠偉との間で心が揺れ動く花菜。 そして、瑠偉もまた口には出せない思いを抱えていて――。 (2018.5.18 START) (2018.7.31 FIN)

この作品を見ている人にオススメ

読み込み中…

この作品をシェア

pagetop