今日も今日とて、告りますのでご覚悟を。
だって、私と大河原さんの接点なんて藤原くらいしかなくて。
わざわざ呼び止めて話をするとしたら、やっぱり藤原のことくらいしか思いつかなくて、あいつに関して何か相談でもあるのかな? って。
そんな心の声が顔に出ていたらしい。
目が合った大河原さんはクスリと笑って、煙草を口に咥えた。
「うちの可愛い坊ちゃんが、何かっていうと”同期の高木が”って言うんだよ」
「え?」
「あまりにその名前を耳にするから、どんな子か気になっちゃって」
何それ、何だか恥ずかしい。
というか藤原のやつ、どんだけ人の名前を口に出しちゃってるの? 同期愛もそこまで強くなるとある意味、怖いよ。後で文句言ってやる。
そんなことを考えている間も、じーと私の顔を見つめていた大河原さんはスーツの胸元に手を差し込み、スマホを出した。
着信でも入ったのかと思いきや、
「高木さんって下の名前なんだっけ? 番号教えてくれる?」
「え! あの、」
それってどういう意味で……。
聞こうとした瞬間、背後から名前を呼ばれた。反射的に振り返ると、水瀬さんが怖い顔をして立っている。