マイラヴレディ~俺の愛しいお姫様




その後、授業開始直前を狙って教室に向かう。

予鈴も鳴り、みんなが席に着き始めているところにこっそりとさりげなく、何もなかったかのように席に着いた。



「どこ行ってたの?」

「…わああぁぁっ!」



突然後ろから話し掛けられ、ビックリして思わず悲鳴をあげてしまう。

バッと振り返ると、蓑島くんが立っていた。

渦中の人物が登場したことで、一気に心拍数が上がる。



どこ行ってたって?

まさか…不審に思われてる?!



「あ、あ…何で」

「だって。せっかくの昼休み、一緒にいたかったのに」

「あ…糸田先生のとこ。部活のことで…」

「えー!あんなハゲと昼休み過ごしてたの!星月もハゲてない?」

「は、ハゲてないよ!それに、業務連絡だし…」

「ハゲと業務連絡?エロっ」

「こら!」

「木曜、デート楽しみだねー。そこでもそのエロぶり発揮して?」

「…こらあぁっ!」


そう言って、「うひひ…」と笑いながら蓑島くんは自分の席へ戻っていく。

そのおふざけにイラッとはするも、いつもの調子で去っていったことに、なぜかホッとさせられる。

変な勘繰り入れてきたかと思ったけど、大丈夫だったよね…?

いつものふざけた感じだもん。大丈夫だ、きっと。

っつーか、今のこの状態、ぶっちゃけデートどころじゃない。



< 147 / 800 >

この作品をシェア

pagetop