マイラヴレディ~俺の愛しいお姫様

魔法にかかりつつある私

***







「…おー。悠介じゃないかいぃー」

「こんにちは松田さん!」



蓑島くんと一緒に、家へと徒歩で向かっている最中。

道端で年老いたおばあちゃんと出会った。

蓑島くんは知り合いなのか、フレンドリーに話しかけている。



「おやおや。今日はゆらじゃない女の子連れてるんだねぇ」

「そうだよー。今日うちで焼き肉すんの」



しかし、そのおばあちゃんはよぼよぼで。

何故か?スキーのストックを両手に、よぼよぼと歩いていた。

杖代わり?



「ほぉー焼き肉かい。終わったら後始末はちゃんとするんだよ。残飯外に出すんじゃないよ。熊が来るからな」

「はーい。お母さんに言っておきまーす」



…熊?

今、熊って言ったよね?!



「み、蓑島くん…?」



手を振ってそのおばあちゃんを見送る蓑島くんに、私は恐る恐る聞いてしまう。



「どした?」

「く、熊って…?」

「あー。ここらへん、熊出たんだよ。テレビでやってたしょ?」

「えぇっ?!」



確かに…札幌の住宅街に熊が出たと、全国ニュースでやっていたような。

ま、まさか…この地域だったの?!


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