マイラヴレディ~俺の愛しいお姫様

俺のアイツに捧げる決意

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大量に涙を流してしまい、尊たちに『母さんに捕まったから先帰ってて』と嘘八百のLINEをして、一人で泣きながら帰った。

通行人に変な目で見られた。ヤバい奴いる…みたいな。



そんな晩夏の日から、時は過ぎていった。



夏は終わり、辺りの自然は新緑から彩り鮮やかな紅葉へと変わる頃。

部活も引退して、学校、塾、家の往復という、実に単調な生活の繰り返しが続いている。

まるでロボットになったみたいなただ受験勉強の生活。

たまにあるスパイスといえば、尊たちとイオンに行って買い食いする。

または、パンダフルでクロワッサンを買い食いする。

そんな程度の、腹を満たすだけのスパイスしかない。

彼女もいない。

実に、何の面白味も刺激もない生活だった。




あれから、一ヶ月ほどで星月は退院したらしい。

しかし、自宅療養してるのか、学校では姿を見ない。

…と、思いきや。



『今日、久々に星月学校来てたぞ』

『…マジか』



学校帰り、尊とコンビニでハスカップミルキングやお菓子を買う。

近くの公園で、ちょっくら食べてから、家に帰ろうと思った。

夜はまた塾がある。




『…で、リハビリだかって午後には帰った』

『ふーん…』

『…で、激太りしてた』

『………』



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