ご主人様の溺愛注意報!?
私はロッカーから次の授業に必要な道具を出し、自分の席についた。


あーあ、次は数学か…理系科目の中でも特に数学は苦手なんだよなぁ…


「あ!!ってか聖南!!あんたちゃんとお礼言ってきたの!?」



突然思い出したように弥栄が私の肩を掴んで揺さぶる。


「保健室の先生にでしょ?」



それならちゃんと言ったはず


…あれ、言ったっけ?



「ちーがーう!!保健室の先生なんかより、王子にだよ!!」



弥栄が突然大きい声を出すもんだから、私は耳がキーンとしたしクラス中の注目も集まってしまった。


相変わらず声でか!!



ん…?


「王子?って、何?」


「はぁ!?あんたまさか覚えてないの!?階段から落ちて気絶した聖南を受け止めてくれた命の恩人!!C組の王子!!」


「C組…?」



C組は理系コースだし、特に友達もいないからなぁ…


それに、もともと男の子があまり得意でない私は他のクラスの男の子なんて…下手したら1人も知らないかも。


自分のクラスの子はさすがに覚えてる…はずだけど。




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