先生。


春休みがあけて、初めて見る司の髪は明るい茶色から黒へと変わっていた。


いや、そりゃ元がいいから何でも似合うけど。


似合うって言ったら調子乗るから言わない。





「潤ちゃん。今年もよろしくね」


「あ、うん!よろしくね!」


「何?友達できたの?」





先生を好きになってから、私は変わったらしい。


それと同時に、私を取り巻く周囲も変わった。



司は何も変わらないけど、私たち本当に3年生なんだ。


実感わかないや。



進路とか将来の夢とか…


司は決まってるんだろうけど、私には何もない。





「3年生って楽しいのかな」


「そういうの担任次第じゃね」


「あー…そうだねー…」





私は、行事ごとが3年生はあまりないからって意味で言ったのに。


司は私の心にヒビを入れることを平気で言う。

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