次期社長と訳あり偽装恋愛

それにしても、あのお兄ちゃんがね……。
口を開けば嫌味なことばかり言われてたけど、私のことを気にかけてくれていたことを知り、驚いたけど嬉しかった。
そういえば、お兄ちゃんと五年もまともに会っていない。
お母さんたちも気にしていたから、そろそろ実家に行った時に会ってもいいかも。
でも、お兄ちゃんに立花さんと付き合ってるのを知られているので恥ずかしいけど。

「ついでにマキにも報告しといたよ。昨日、マキから連絡があったお陰で梨音ちゃんと話が出来て付き合うことになったからね」

昴くんにも?
これって舞にも伝わるパターンな気がする。

「もしかして、口紅を立花さんにくれたのは昴くんですか?」

「そうだよ。シンデレラ何とかっていうシリーズで人気があるとか言って。俺の気になっている子にプレゼントしてあげたらってくれたんだ」

マキには何か奢らないと、って笑いながら言っていた。

いろいろな前菜盛り合わせ、エビやタコ、トマトのアヒージョ。
マルゲリータにローストビーフに舌鼓をうつ。

トマトクリームのリゾットが出てくる頃にはお腹もいっぱいになっていた。
もちろん、今回も最後のデザートまで美味しくいただいた。

立花さんには私がよく食べるということを知られているので、今さら取り繕うこともない。
そんな私の食べっぷりを立花さんはニコニコと笑いながら眺めていた。
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