天使と悪魔の駆け引き
重い足取りで教室に入る。

女子がニヤニヤと笑う。
男子は何も言わないが、女子から私を守ろうと次々に声をかけてくれる。


「よっ!美紅!」
「美紅おはよっ」
「帰りどっかいかね?」
「女子とか気にすんな?」

「皆、ありがと☆負けないよ♪」


私は男子たちにガッツポーズを見せて笑って見せた。
私の席は一番うしろ。
まただ、女子たちが落書きしている。
くだらねーなー。


「綺麗にしてやったよ!」
「感謝しなっ!」


次々に私にペンが飛んでくる。


「落書きするなら!!もっと可愛く書いてね♪皆、絵のセンスないよねえ〜」

私は言ってみせた。
女子は一瞬悔しそうに顔を歪めたがすぐに笑って、嘲笑うかのように私に言った。


「あんたなんかに、可愛くかく落書きなんてないから♪てか、落書きが可哀想♪」


んじゃあ、
最初から最初から…
落書きすんじゃねえ


殴りかかる、その時だった。


ガラッ

「はい、HRはじめるぞ。あ、そうだ。転校生紹介するぞ〜。おい関谷、入れ。」



「転校してきました、関谷 龍玖です♪よろしく!」

爽やかに挨拶を決めて、私の隣の開いている席に座る。

ボソッ

「ここまできたんだ。駆け引き…受けてくれるよな?」


ボソッ

「望む所よ。あんたなんかに私は惚れない。」




そして駆け引き成立になった。
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