【甘すぎ危険】エリート外科医と極上ふたり暮らし
「愛川先生、すみません。急に眠くなっちゃいました。わたし、どこで寝たらいいんでしょうか?」
愛川先生のマンションの部屋の中は、玄関もキッチンも、どこもかしこも温かい。どこで寝ても凍えることはないだろう。だからトイレとお風呂場以外ならどこでもいいと思っていた。
それなのに彼がわたしを連れて行ったのは、十畳以上ある部屋の中央にキングサイズのベッドがある広い寝室。
「ここ、ですか?」
「ああ。いいか?」
「いいも何も、広すぎるくらいです。ありがとうございます」
夢のような部屋を与えられてウキウキするわたしに、愛川先生は驚くような言葉を呟いた。
「一緒に寝れば暖かいからな」
「え? それってどういう意味、ですか?」
嫌な予感しかしない。いや、予感どころか決定的な言葉が脳裏を駆け巡り、あわあわと愛川先生を見つめた。
「そのままの意味だ。蘭子はここで、俺と一緒に寝る」
やっぱり。予感的中。
途端、わたしの体から力が抜け、その場にズルッと崩れ落ちる。
誰が嘘だと言ってよ……。
ほくそ笑む愛川先生を見上げ心の中でそう叫ぶと、がっくり項垂れた。