【甘すぎ危険】エリート外科医と極上ふたり暮らし

「もう! 所かまわずキスするの、やめてください!」
「蘭子は俺のものだ。どこでキスしようと俺の勝手だろ」
「そういうことじゃなくって、ここ外ですよ?」
「だから?」
「だからじゃないでしょ! 他人に見られたら恥ずかしいですってば」

定食屋は人気の店らしく客が頻繁に出入りしているし、真ん前の大通りにはわんさか車が走っている。今の所こちらをじっと見ている人はいなさそうだが、やっぱり外じゃ視線が気になるわけで。

って言うか、そもそもなんでキスするの?

あ、もしかして。ここに来る前、真澄さんの様子が変だったから、ちょっと優しくしたのを勘違いしたとか? 抱きしめて背中擦っちゃったから、もうキスしても大丈夫とか思っちゃったとか?

まあわたしも昨日から幾度となくキスされて、多少麻痺?してるみたいだけど。キス解禁なんて言っていない。

「寒いです。さっさと帰りましょう」
「わかった。外じゃなければキスできるしな」
「遠慮しておきます」

肩に置かれた真澄さんの手をほどき、車のドアを開け助手席に乗り込む。

田所先生の嘘つき。この人のどこが安心なのよ。ところどころ難ありじゃなくて、どこもかしこも難だらけで、わたしの手には負えません。

「先が思いやられるよ」

ボソッとつぶやきながら、窓の外に目をやった。





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