終わりは始まりか ~私達の場合~
4
実家の設計事務所で仕事をする事を、もっと軽く考えていた私を事態は大きく裏切ることになる。

実は…、両親の営む設計事務所はかなり繁盛していたのだ。

ハウスメーカーの画一的な設計やデザインに満足できない施主さんがこんなに居るとは思わなかった。

今までハウスメーカーのやり方に慣れていた私はその多様さに右往左往することになったのだ。

そしてうちは店舗の設計も扱っていた。

一般住宅とは違った、気を付けなくてはいけない点が多くある。

こちらの経験は少ない分、更に大変だ。

お父さんやお母さんに笑われながら、毎日仕事をこなす日々。

すっかり新人扱いだ。

でもそれが心地良い。

そんなある日、私はスマホに見慣れない番号のメッセージが届いているのを見つけた。

少し嫌な感じを覚えながらも、それを覗いてみる。

< 32 / 181 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop