終わりは始まりか ~私達の場合~
7
それから約2年後。

「美月、大変だったな。」

伊吹に後ろから声を掛けられた。

「ううん、いろいろ手伝ってもらってありがとう。」

私は振り返って、力の抜けた微笑みで返す。

「親父さんがあんな風になるとはな。」

二人でお父さんの方を見る。

お父さんはがっくりと肩を落として、座り込んでいる。

何を話しかけても何も耳に入らないようだ。

お母さんのお葬式が無事に終わった。

長い一日も終わろうとしている。

「伊吹は昨日と今日の仕事は大丈夫だったの?」

「ああ、ちゃんと段取りはしている。お前も疲れただろう?」

「うん、でもこれからの方が大変そう。」

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