Je veux le protéger

那智side




「‥‥なんでもねぇよ。」



そう言った理櫻。

絶対になんでもないわけねぇのに。




『なんでもないわけないだr「理櫻。お前、携帯。」‥‥誰だ?』




俺の言葉を遮って言葉を発した、理櫻そっくりな奴。

足音も気配もなかった。
いったい何者だ?

どんなに気をつけてもこの廊下は多少なりとも上靴と地面が擦れる音がする。

なのにこいつは、一切音がしなかった。

いったい‥‥‥‥‥‥‥‥。

そもそも、こんな理櫻とそっくりな奴なんてこの学校にいたか‥‥?




「あ、悪い。
ポケットが軽いと思ったら‥‥」


「要確認」



どうやらこいつは理櫻の知り合いで理櫻の忘れ物を届けに来たらしい。



「ごめん、ごめん。
けど、よく届けてくれる気になったな。
寝てたんだろ?」


「電話に起こされたんだよ。」


「電話?」


「今日は2人ともちゃんと家に帰ってこいってさ。」


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