愛って何よ?
8、分かんないっすか?
関谷さんと別れたお店の前から、たった数分歩いた場所にあるビジネスホテルに戻ってきた私達。

その数分間、私の右手は野村くんに握られたままズンズン前を歩いて行くから着いていくのに必死で表情を伺う事も出来なかった。

「あのー」とか「手…」とか呟いてみたけれど、野村くんは完全無視。

絶対に聞こえる距離なのに、こちらをチラリとも見ようとしない。


ホテルに戻ってきてからも、エレベーターの中は無言でいったい何のつもりなのか少しも理解できないけど先程の"やきもち"が原因なのかなとは思う。

きっと私は永田係長について問い詰められるのだろうとは想像できた。

< 105 / 124 >

この作品をシェア

pagetop