愛って何よ?
「…でも、時間が経ったら解決するような問題じゃないでしょ。
私が抱えてるのは」

胸の奥のつかえは、いつまでも消えないものなのだと改めて知った。

口出してみると、私には重くてまだまだ苦い塊の様に喉にへばりつく。

「確かに、過去は変えられないから仕方ないけど。
千春にその気があるなら野村くんに話してみたら?
本当のこと」

哀れむでもなく、真摯に私の気持ちを受け取ってくれるモナの存在を有りがたく思う。

私は野村くんに打ち明けるのだろうか。
過去のことや家のこと。
本当は恋人なんていないこと。

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