一途な騎士はウブな王女を愛したくてたまらない


葬儀が行われる少し前、イアンと共に式のおさらいをしていたところにオースティンがメアリにつく近衛騎士たちを連れてやってきた。

ルーカスの第二部隊とユリウスの第三部隊の者たちだ。

セオもウィルもメアリが自らの道を決意した日に、オースティンからメアリが王女であることを騎士団の皆と一緒に聞かされたらしいが、ふたりともメアリに会うまでは半信半疑だったようで、ウィルに至ってはメアリに会ってもまだ信じられないといった顔を見せていた。

ただ、それは他の騎士団員も皆似たような感覚なのか、「まさかジョシュア医師の元で手伝いをしていたメアリが」という声を誰もが漏らしていた。

彼らの戸惑いはメアリも肌で感じており、メアリもまた、今後どのように皆と接していくべきかを悩んでいるのが現状だ。

柔らかな芝生を踏み、騎士たちの元へと歩みを進めるメアリにルーカスは「もういいんですか?」と問いかけた。


「はい。お待たせしてごめんなさい。セオ様たちは?」


メアリを迎えるよう歩み寄ったユリウスに尋ねると「別の任務に向かわせました」と答える。


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