甘く抱いて、そしてキスして…【完】
第1章 運命の出逢い

第1節 カフェラテ

眩しい太陽の光が私が働く『overseas』のカフェの窓をキラキラ照らす。
雲ひとつない秋晴れ。心地よい風がふんわり柔らかく肌で感じられる……


私、田辺美園(たなべみその)、25歳。

現在、『overseas』人気のカフェの店員をしている。今の私はなんとか幸せに暮らしている。


幼い頃の極貧生活を必死で耐え、自分の力で、やっとここまで這い上がってきた。

2歳から1人で戦ってきたのだ。
『有言実行』これが私のモットー。




「いらっしゃいませ」
私は今日も最高の笑顔でお客様を迎える。

扉が開くと、ちらりと見える綺麗な青空にふと見とれてしまう……


「何名様ですか?」

「1人、禁煙で…」
そう応えたのは、樋口翔太郎(ひぐちしょうたろう)、33歳。



これが、私とプリンスの運命的な出会いだった。



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