*君に溺愛*
私は、知らなかった。

雅くんが、風邪を引いて具合が悪いこと。

戦うほどの力はないこと。


倉庫に来て一番に目に入ったのは、頭から血を流す男の子だった。

縛られた彼の顔に見覚えがあった。

あれ?

「美織ちゃん……?」



「リオ!?
嘘っ、リオに何を………っ」

リオ………?

リオに駆け寄る美織ちゃんは、銀髪の男を睨んだ。

「リオに、手を出したの!?
嘘つき。ここに、ルナちゃんを連れてきたら、何もしないって約束したのに………っ」


美織ちゃん………。


「リオ、立てる?
帰ろうっ、ルナちゃん帰ろう‼
ここに、居ちゃ行けない…………ッ」


パァン…………。


えっ…………?

「美織ちゃん‼」

美織ちゃんが、殴られた。


「バカじゃねー?
約束?
そんなん、果たす訳ねーじゃん。
お前達、姉弟は俺らの駒だよ‼」


ザッーーーー

そう、銀髪の男が笑った時………












ガシャンーーーーー!!!!



ドアが、蹴破られた。












「ルナ!!!!!
ルナは、帰して貰うぞ‼」










知ってる君の声。

確かに聞こえた。








「雅くん………………」




どうして、ここにいるの?

なんで、分かったの?


ねえ、なんで………
私、いつも…………



雅くんの気持ちに答えてないのに、
答えられないのに………。



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