*君に溺愛*
「あーー、ダメだ。
この場に流されそう。
ルナちゃんが、泣くからっ。
あのね、俺はルナちゃんが泣いてるの見たくない。

高城くんで、傷つく君を見たくない。
それが、分かる?」

意味がよく、分からない。

「ん?分からないです」

私は正直に伝えた。

「君を想ってる人は、ここにいる」
私を想ってる人が、ここにいる……それって。


「えっ……………?」


瞬間、空気が変わった。


「それって…………」


誰かなんて、目の前にいる廉先輩しか浮かばなくて、自然と顔が赤くなる。

ムードに流されかけた瞬間、勢いよくドアが開いた。


スパーン…………!!!


真っ赤な顔で、怒ってる清水先輩がいた。


「ラーメンが伸びる‼それだけは、許さん‼
とっとと、食いやがれ!!」


ひぃぃ!!!


「ご、ごめんなさいっ、いただきます‼」

私は、せっせと、食べ始めた。

「直、空気読めよ」

廉先輩の不機嫌な声が、聞こえた。








それから、ラーメンは完食。

野菜炒めも完食し、満足気な清水先輩をチラリ、と見た。

「ごめんね、つい怒鳴っちゃって。
ルナちゃんに言ったんじゃないよ、このバカね」

このバカ、と指を指す清水先輩は、廉先輩を見てニヤリ、と笑う。


「いいえ、ラーメンも野菜炒めも美味しかったです」

私は素直に感想をのべた。

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