*君に溺愛*
なんと、優美だろうか………。

綺麗だ、と見とれてしまう私。

冷めた目が、だんだん優しくなってきた。

「ルナ、良かった。
無事で……」


ドクンッ。


あれ?

いつもの、雅くん?
あれ、なんか違う?

雅くんってこんなだっけ?
「涙、出てる。
怖かった?」
 そして、優しく涙を拭うその指にーーー。


「ルナ、なんか言って………」

あ、そうだ。

「助けてくれて、ありがとうっ」
やばい、また涙。

思い出したら、安心してまた涙が流れた。

「ルナ、今だけは嫌がらないでっ」

えっーーーーー?


君が……………私を抱き締めた。


ドクンッ。

また…………。

なんだろう。
安心するし、暖かい。

私はしばらく、君の腕の中にいた。

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