*君に溺愛*
どうして、俺は、ーーーーこうも不器用なんだろう。
見た目を変えただけじゃ、なにも変わらない。

黒髪なら、葵だってそうだ。

だけど、葵は俺とは違う。
纏う雰囲気も、大人で俺とは違う。

「雅、大丈夫か?」

慧。

チャラ男の代表が、心配そうに見てる。
その顔は真剣そのもので、泣きたくなった。

今頃、ルナは…………
葵と………いる?

保健室で、二人っきり?

嫌だ。

誰にも渡したくない。

「慧、俺………謝ってくる」


「ああ、けど、熱くなんなよ?」

わかってる。

俺は、保健室に急いだ。

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