総長さんが甘やかしてくる②(※イラストあり)


「燐」

「なに、幻」

「これからは俺たちがお前の面倒みてやる」

「……!」

「これまで甘えられなかった分も」

「ほんと……、どいつもこいつも。過保護なんだから」


黒梦って、なんだろう。


不良の集まりであって。

仲間で。

そして、家族みたいで――。


(ほんと。妬けちゃうな)


「そんな顔をするな」


――!


腕を引かれ

ストンと、幻さんの膝の上に座らされる。


「お前も、黒梦の一員だろう?」

「……!」


もちろんですとも。

わたしは、姫なのだから。


付き合いがまだまだ浅い分

それを埋めていきたくて仕方がないです。


「その理屈なら、ボクが姫にキスしてもらうのもアリなんじゃないの? ほっぺくらいならさぁ」

「テメェまたそんなこと言ってると幻が……」

「それもそうだな」


幻さんが、つぶやく。


(幻さん……?)


「だけど夕烏は俺の女でもある。そんなこと許すわけないだろう?」


そういって、わたしの髪からヘアゴムをはずす。


「あっ……」


せっかく、やってもらったのに。


「燐のしわざか」

「うん。かわいーでしょ?」


あんまり似合ってなかったのかな。


「なに夕烏の髪に指通してんだよ」


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