総長さんが甘やかしてくる②(※イラストあり)


気のせいかな。

燐さんの方から愁さんの話がよく出るようになったような。


「燐さんは、愁さんのどういう反応が面白いんですか?」

「やっぱり、少女漫画のヒロインみたいなところかなあ」


愁さんが、ヒロイン――!?


「そんなところ、あります?」


どう考えてもヒーローの方だと思うのですが。


「オトコとしては当て馬止まりなんだけど。ヒロインとしては、はなまるって感じ」

「はなまる……」


わあ、めっちゃ褒めてる。

燐さんが、愁さんを評価してる……!


「デートのときの反応もそうだし」


(デート!?)


「恋に悩んでるところも。カラダ触った反応も」


(カラダ!??)


「ああ、変なことしてないよ。上半身だけ。服の上から。少しくすぐったくらいだからね?」

「いや、別に、それ以上の想像はしませんが……」

「愁のこと泣かせたくなるときって。愁のこと女の子みたいにしか見えないんだよねえ」

「斬新な発想だと思います」

「ボクにもっと力があればねじ伏せられるのに」

「なにする気です!?」

「力がないから。頭脳戦に持ち込むしかないなって」


これは急展開です、幻さん。


最近二人の仲が急接近したのは薄々感じていましたが。


(燐さんの気持ちがこんなに大きいとは)


愁さんにもたしかに変化はあったけれど

(口では冷たくても態度で燐さんに優しくなったと見ていてわかる)


燐さんが、本当に愁さんが大好きなんだなってのが伝わってくる。


仲良くなってよかった。

本当に。


これからも、どんどん仲良くなるんだろうなあ。


「燐さん、すごく楽しそう」

「まーね。あんなオモチャなかなか売ってないよね」


ただし、オモチャ扱いはやめてあげてください。

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