癒しの魔法使い~策士なインテリ眼鏡とツンデレ娘の攻防戦~
「まあ、光琉さんがイケメンでモテるのは本当だけどな」

「そうだよ。職員にも患者さんにもすごくモテるの。なのに私に絡んでくるから、勘違いする人も増えてきていて、マジで光琉うざい」

「誰がうざいって?」

げ、、、!

聞き慣れたエセ紳士声が背部から聞こえて、遙季は背中を縮めた。

「また光琉?もう,,,いい加減にして。ここは私の癒しのスペースなの」

「ハル、諦めろ」

悠生がすっと、オムライスを遙季に差し出した。

マスター(悠生)の前、カウンターの中央席は、ほぼ遙季か梨々香の指定席になっている。

常連客も心得ていて、その席には誰も座らないし近寄らない。

そこにはいつも゛reserved゛の札が置かれているのは有名な話だ。

「真島くんだっていいって言ってるだろ」

爽やかに笑う光琉は、いつの間に悠生を味方につけたのだろう。

遙季はため息をついて、悠生の作ったオムライスを口にいれた。

「ああ、やっぱり悠生のオムライスは最高!」

遙季は嬉しそうな笑顔を悠生に向ける。

「そんなにうまいなら俺にも食わせろよ」

光琉は遙季の背中越しに、遙季の右腕を掴み、遙季のスプーンでオムライスをすくうと、それを自分の口にいれた。

「おっ、本当にうまいな」

「光琉!やめてってば」

店内の客が一斉にカウンターの方を見る。

「馬鹿ハル、自分で注目浴びるようなことしてどうするよ」

悠生が苦笑すると、

「あっ,,,ごめん」

と、遙季はうつむいた。

光琉が勝ち誇ったように微笑む。

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