癒しの魔法使い~策士なインテリ眼鏡とツンデレ娘の攻防戦~
"このまま追いかけてくれば、罠に掛かってくれたようなものなんだけど"

遙季は店を出ると、近くのコンビニのトイレに向かった。

追いかけて店を出る努に見つかるように、わざとゆっくりした動作で。

トイレの個室に入ると、遙季はスマホを取り出した。

SNSのメッセージアブリと電話機能には、おびただしい数の光琉からの着信。

"ハルキの近くのコンビニにいます"

遙季はメッセージを光琉に送信すると、トイレのドアがノックされるギリギリまでそこに隠れていた。

「雪村さん、開けて?大丈夫?」

コンコンというノックの音と共に、努の声が聞こえた。

遙季はゆっくりとドアを開け店内に出た。

< 78 / 86 >

この作品をシェア

pagetop