遠回り
針が刺さり
「いち…に…さん…」
もう意識が
無くなった。

どれ位の
時間が
経ったのだろう。

麻酔が切れ
目が覚めた。

元気がいた。
すごい吐き気。

食べてないから
胃液だけが出る。

「赤ちゃんはもういないんだ」
と思ったら
悲しくなって
涙が出た。

元気は
「結婚したら何人でも生めるか ら生まれてこれなかった子の 分も可愛がろ」

と その涙を指で
優しく
ぬぐってくれた。

歩ける様になり
元気と
アパートへ。

元気は
部屋に帰ってからも
生理用品を
買ってきてくれたり
看病してくれたが
沙織は
ずっと
泣いていた。

元気の
後ろ姿の肩も
震えていた。
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