家庭訪問は恋の始まり
「ええ!? なんで?
好みのタイプじゃなかったの?」

と美香。

「好みのタイプだよ。
イケメンで優しくて大人で。
でも、好きな人じゃないから。」

そう言うと、友美が身を乗り出す。

「夕凪、好きな人ができたんだ?」

「………うん。」

「付き合ってるの?」

「それは、まだ。」

「まだって何?」

「それは… 」

私は言い淀む。

「まさか、不倫?」

ふぅ…

ここでもそう疑われるんだ。

「違うよ。でも、今はダメなの。
春になったら、ちゃんと言うし、紹介も
するよ。
それより、美香は?
来月だっけ? 予定日。」

私は妊婦の美香に話をすり替えた。

私の気の置けない友人たちは、何かを察してくれたようで、それ以上の追及はして来なかった。

私たちは、おいしいランチをいただき、のんびりとお茶をして、デザートも食べ、店を後にした。

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