家庭訪問は恋の始まり
どういう事だろう。

「なんで?
嘉人さん、聞いてないの?」

「………昨日の夜、僕が寝てる間に出てった。」

え!?

「お父さんは、なんて言ってた?」

「………ママ、もう帰って来ないかもって。
ねぇ、先生、僕のママになってよ。」

それは…

「嘉人さん。
嘉人さんの気持ちはとっても嬉しいんだけど、
先生はね、嘉人さんの先生だから、
お母さんにはなれないの。
それにね、嘉人さんのお母さんになるには、
まず、お父さんのお嫁さんにならなきゃ
いけないんだよ。
だから、ごめんね。」

嘉人くん、こんな下手な説明で分かってくれるかな。

「じゃあ、先生が僕の先生じゃなくなったら、
パパのお嫁さんになって。
それまで、僕、待ってるから。」

うーん…
困った…

「パパがお嫁さんにしてくれるって、
言ったらね。」

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