家庭訪問は恋の始まり
俺が驚いた声を上げると、全校で毎朝歌う歌に指定すると説明してくれた。

伴奏は、2曲とも松井先生がしてくれるらしい。

そんな話をしながら、上品でふわりとした雰囲気のお嬢様然とした松井先生が学年主任だという事を思い出し、年齢が気になった。

どう見ても、俺より年下、20代に見える。

夕凪先生と同じくらいか?

だけど、まだ知り合って間もない女性に本題から外れて年齢を聞く事もできず、謎だけが残る。



松井先生、瀬崎さんとの打ち合わせを繰り返し、入念に準備した結婚式当日、夕凪先生は、泣きに泣いた。

サプライズは大成功だと言っても過言ではないと思う。

これは、最初で最後の俺から神山夕凪へのプレゼント。

彼女を感動させる事が出来たから、俺はこれでようやく諦められる気がする。

俺もいい歳だし、いつまでも未練たらたらで引きずってる訳にもいかない。

神山夕凪の幸せを願って、俺は長い片思いに終止符を打つ。

Yuna, be happier than anyone.





─── Fin. ───
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