家庭訪問は恋の始まり
言ってみれば、普通の人に100メートルを10秒以内で走れと言うようなものだ。

努力すれば、多少速くはなるが、10秒を切れるのは、限られたごく僅かの人だけだ。

嘉人くんは、嘉人くんなりに頑張っている。

席を立つ回数は、入学式の頃よりだいぶ減ったし、ダメな事はダメだという認識もある。

ただ、衝動的に動いて失敗し、本人も反省と後悔を繰り返してる。

自分がした事が、悪い事だという認識があるんだから、これからの努力でなんとか日常生活に支障をきたさないように育ててあげたい。



と、理想はあるんだけど、現実はなぁ…

毎日、嘉人くんのおかげで、疲労困憊、ヘトヘトだよ。

嘉人くんは、手は掛かるが、明るくて元気で、なぜかみんなの人気者。

だから、余計に困る。

クラスが嘉人くんに引きずられる。

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