家庭訪問は恋の始まり
瀬崎さんは、「ふっ」と笑みを零す。

「真面目で、一生懸命で、かわいらしくて、
守ってあげたくなるんです。
人を好きになるのは、時間でも理屈でもない
と思いますよ。」

「で、でも、それは、教師としての私
ですよね?
プライベートでは、違うかもしれませんよ。」

そう、私は、仕事は頑張るけど、プライベートは家事もろくにできない干物女。

「だったら、プライベートのあなたを見せて
ください。
明日は、俺が家庭訪問しましょうか?」

私は思いっきり首を横に振る。

「ダメです!
私の部屋、今、すごく散らかってるんです。」

「くくっ」
と笑う瀬崎さんは、なぜか嬉しそう。

「そう、散らかってるから、ダメなんですね。
じゃあ、片付いたら、家庭訪問してもいいん
ですよね?」

< 95 / 507 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop