私が最期に言いたかったこと
chapter1

迷惑と親切

─キーンコーンカーンコーン─


無機質なチャイムのあと、


私─橘 空音(たちばな たかね)は、教室を出た…


何故って?そりゃもちろんサボるため!!


─保健室─ という看板を見つけ当たり前のように入る私


迎えるのは、静かなベッドだけが置かれた教室──では無さそうだ……

「あ、あの。あなたは、誰?」

目の前にいる男子生徒に質問した……


「あ、知らないの?俺結構有名なのに」


印象からして、めちゃくちゃ自意識過剰だと思った私は、


「あ、そうなんですね。」

冷たく言い返してやった。


「ふぅん。で、何しに来たの?」


何だこいつ……何市に来ても別に関係ないし


「別に。なんでもいいじゃないですか、友達でもないんだし……」


「でも俺は、君のこと知ってるからさ?」


だからなんなんだ……


「え、あ、私は、これで……」


そう言ってベッドに、潜る。


「え、あ、寝るの?じゃあ僕も寝ようかなぁ。」


なんなんだこいつ……関わりたくないのに……


「別に良くないですか?あなたに関係ないし、」


そう言って寝ようとした時だった……


─ガラッ─



「あら、氷雨くん。来てたの?あと橘さんも来ていたのね……」


保健室の先生が入ってきた。



「先生……すみません勝手にベッド使ってます」



「別にいいわよ……どうせ次の体育できないんでしょ?」


ここで言うのか先生……酷いな……


「え?どこか悪いの?」


「別に、ヒサメさんには、どうでもいいことですよ。」



冷たく言い放った



「えー?僕もその秘密共有したいなぁ。…」




え、何こいつなんなの……




「先生俺もサボるね?ベッド借りまーす。」



そう言うと"ヒサメ"は、私の隣のベッドに潜った……





「ん……っ……ふぁ」






目を開けると目の前には、あの氷雨がいた





「あ、あのなんでここに居るんですか?」






「んー……え、あ、ごめん」





別に謝られても困る






わたしは、交友関係を持つのが嫌だった……




病持ちだし、私は、いつ死ぬかわからない……






いつ最期が来てもいいように、誰とも変わらないで生きていこうと決めてたから。




「先生ありがとうございました。」




そして保健室を出ていった





─ 教室 ─






教室に入ると…ガヤガヤうるさかったクラスメートは、私を見た……





どこ行ってたの?という目線を注ぐ…





何故かクラスメートに、嫌われることがなかった




嫌ってくれたら、楽なのに…




そんな事を思いながら、席に着くと…





─ ガラッ ─





入ってきた奴は、あの氷雨とか言うやつだった…





「橘さんひどいよ?俺の事置いてくなんて!」






何故か怒られる私






「別にあなたを置いて帰ったって私の勝手です…ほっといてくれませんか?」






すると、1人の女子がしゃしゃり出て来た





「ちょっと!!橘さん!?その物言いは、おかしんじゃありません?」





は?なんで私が怒られてんの?





「あの、一言いいですか?あなたそんなこと


言いますけど、



関係ないですよね?別に良くないですか?」





すると、しゃしゃり出て来た女子は、恥ずかしそうに、



辺りを見渡すと…席に戻った…





「で、あなたは、何を怒ってるんです?」




「橘さんが先に帰ったからだよ……」





「1人で帰れるでしょ、誰か一緒じゃ出来ないことじゃない……そんな事私に押し付けないで……私からすれば、迷惑です」






嫌われるなら全然よかった……





わたしは、鞄を持って席をたった…





氷雨は、驚いた顔をした…そしてこう言った





「どこ行くの?鞄持って」





溜息を着いて……





「帰るんですよ。私に構う馬鹿が2人もこの教室には、居るみたいなので…」





と言うと…氷雨─氷雨 澪(ひさめ みお)は、





「じゃあ俺も帰ろっかなぁーなんて……」





─ バンッ ─






「いい加減にしてくれませんか?私に構わないでください…!!」







私は無理に走った──








「はぁ…はぁ……な……んなの……?あい……つ」





目の前には、自分の家…無駄に広くてあまり人がいない家があった







─ ギィッ ─






少し錆びているのか、変な音を立て門が開き






中からウエイトレスを着た紳士が出てきた






そしてこう言う──





「お帰りが早うございますね。空音"様"」







私は、"様" を付けられるのがすごく嫌だった…







「学校を抜け出したんです。」







「嫌なことでもありましたか?」





私は、首を振った…







「お帰りであれば、迎えに行かせたのですよ?」







「送り迎えなんかいいです。


どうせ私の命は短いじゃないですか…」






そう言うと紳士はこう言った……







「旦那様も、奥様も、空音様の延命をお望みですよ……どうして嫌なのですか?」





「嫌なものは、嫌なんですよ…あなたには、分かりませんよ……て私の事なんて……」







そう言うと玄関に入り、無駄に大きい階段を登り、






無駄に広い部屋に入り、どこのお姫様かと



言わんばかりのベッドに、横になった
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