私が最期に言いたかったこと
あの後…止める先輩を、説得して、




教室に戻ってきた




氷雨は、相変わらず寝ている…




楓先輩によると、氷雨は、学園3位らしい




氷雨は、1年の頃から目立っていた




だから関わるのも嫌なのだろう




氷雨 澪は、学園の王子様的存在




だから、関わりたくなかったのだ




─ ガタッ ─




私は、席を立ち鞄を持った




そう今は、放課後横の氷雨を起こさず




下駄箱まで向かう




もうすぐだという所で、誰かにぶつかった




「いっ……つ……」




私は、壁に背中を打ってその後尻餅をついた




「あ、ごめんな、君大丈夫やった?」




標準語とは違い、関西弁を喋る長身の男




「えっと立てる?」




差し出された手を凝視した




「えっと俺の手になんか付いてるん?」




そう聞かれはっとした…




「あ、大丈夫ですすみません」




「そうか、ならいいけど、俺の名前教えとくな?」




ん?何故か紙を渡してきた




「開いてみ?」




─ カサ ─




中には、電話番号が書いていた




名前は、棗 優樹(なつめ ゆうき)




「えっとなんですか?これは、」




「見たらわかる、俺の連絡先や」




え?何故この人は、見ず知らずの私に、




連絡先を押し付けてくるんだ




「あ、私急いでるので行きますね」




バレない程度の作り笑いで別れを告げた







下駄箱に行くと楓先輩がいた




「あ、やっと来た。何かあったの?」




「ちょっと人にぶつかってしまって」




「怪我は、ない?」




「はい!大丈夫です。ありがとうございます」




「じゃあ行こっか」




すると、『はい』と、差し出された手




私は、?が浮かんだ




すると、また楓先輩は、クスクス笑い始めた




「な、なんですか?楓先輩!」




「いや、手を繋ごうって意味だったんだけど」




クスクス笑いながらいっているから




声が震えている




「笑う事じゃないですよ!」




そう言っても笑い続ける楓先輩




「まだ笑ってるんですか?」




「ごめんごめん!じゃ行こっか」




また差し出された手。




今度は仕方なく、手を取り2人で歩いたのだった──。






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