エリート社員の一途な幼なじみに告白されました

 それからの数日はあっという間だった。

 僕は渡航のための手続きのために梓に会えなくなり、代わりにメールでやり取りすることになった。

 コムギは正式に梓の家に迎え入れられることになった。最後はお父さんと環が一緒に家に挨拶へ行った。

 でも、梓の顔を見ていると泣きそうになって、お父さんに海外へ行きたくないと駄々をこねそうになって、それが恥ずかしくて殆ど会話出来なかった。

 梓も元気がなくて、微笑んでいたけれどずっとその顔は寂しそうだった。

 ――こうして僕は日本を発った。そして、梓と連絡が取れなくなったのは、僕がアメリカに着いてから僅か数日のことだった。

 僕が何度メールを送っても、返事が返ってこない。信じられなくて何度も何度もメールを送ったけれど、それ以来返ってくることはなかった。

 メールアドレスでやり取り出来ると思っていた僕は住所も電話番号を聞いていなくて、電話も出来なかった。

 僕はそんな自分を恨んで、何も食べられなくなるほど落ち込んだ。

 「二度と会えなくなる訳じゃない」、その言葉だけを信じて、僕はアメリカでの生活を強いられることになった。
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