優しい微笑み
・:*:・:・:・:*:・:・:・:*:・:・:・:*:・

優しい微笑み

・:*:・:・:・:*:・:・:・:*:・:・:・:*:・


4日後の水曜日、私は、同期の杏菜(あんな)と社員食堂でランチを食べていた。

「ここ、空いてますか?」

男性から声が掛かり、

「あ、どうぞ。」

と言って顔を上げると、そこには、先日の忘年会で会った人がいた。
えっと、確か、経理の…誰だっけ?

「栗原さん、こんにちは。」

挨拶をされるが、名前を思い出せない。

「こんにちは。
この間は、どうも。」

私は、曖昧に笑ってごまかす。

「誰?」

杏菜が声を潜めて聞いてくる。

「経理の方。
この間の忘年会で演奏を褒めて
くださったの。」

私が言うと、彼が微笑んで言った。

「経理の桐生章吾(きりゅう しょうご)です。
はじめまして。」

そうだ!
桐生さん!!
< 69 / 318 >

この作品をシェア

pagetop