残念な王子とお節介な姫
会計を待つため、ロビーに戻り、ソファーに並んで座った。

「ここに俺の子がいるんだな。」

俺は結のお腹をそっと触る。

「絶対に幸せにするから。結も、この子も。」

俺は結の肩を抱き寄せた。

小さくて華奢な結。

お願いだから、ずっと俺の腕の中にいて。

ここから、逃げ出さないで。

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