残念な王子とお節介な姫
「どうしたんでしょう?
本当に勝手な娘たちで、申し訳ありません。」

結のお義母さんが頭を下げる。

落ち着かない時間が流れる。

時が止まってるんじゃないか?

時計の針がちっとも進まない。

20分程して、ようやくお義姉さんが戻ってきた。

でも、結はいない。

嫌な予感が増していく。

「お待たせして、申し訳ありません。
もう少し、お時間をいただけませんか。
今度は海翔くんも一緒に。
海翔くん、来てくれるわよね?」

お義姉さんが俺を見る。

嫌だ。

行きたくない。

行かない方がいい。

分かってるのに、お義姉さんの目がそれを許さない。

「はい。」

俺は、渋々立ち上がった。
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