残念な王子とお節介な姫
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19時。

「課長、飲みに行きましょう!」

突然、姫が言った。

やけ酒に付き合うつもりなんだろう。

「別に行かなくていいよ。
俺、明日も仕事だし。」

俺は、結婚式の後、結と新婚旅行に行くため、夏休みを8月31日から取る事にしていた。

妊婦の結をあまり遠出させたくないから、有馬温泉を拠点に、大阪・神戸・姫路をのんびりと観光するはずだった。

「うち、明日から夏休みですもん。
付きおうてくださいよ。」

「姫、聞いてたか?
俺は、夏休みじゃないんだ。」

「聞いてましたよ。
せやけど、ここ何ヶ月も残業漬けで頑張って
来たんやから、かわいい部下のかわいい
わがままくらい、聞いてくれてもバチ
当たらんのとちゃいます?」
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