世界で一番似ている赤色

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優にぃはやっぱりイジワルだ。



――綾の2つ前の苗字。



そんな言い方しないで、自分の苗字って言えばいいのに。


彼とわたしが兄妹だった現実を突きつけられたような気がした。



ラインを検索すると、優にぃを見つけることができた。



「う~~」



悩んだ末、友達申請もメッセージも送らないことにした。


またつながりを持ってしまったら、自分の気持ちが止められなくなるから。




月曜日。わたしは川瀬くんをいつもの川沿いの道に呼び出した。



緊張しながら、草むらの土手に腰かける。


曇り空から夕日が顔を出していて、川は光をいろんな方向に反射させながら静かに流れていた。



「綾ちゃん、どうしたの? 改まって」



張り詰めた空気が漂う中、彼はいつものように微笑みかけてくる。


視線を合わせないままわたしは伝えた。



「ごめん。別れよう」って。



カラスの鳴き声、後ろの遊歩道を歩く子どもたちの声、自転車が走り抜ける音。


BGMがやたら大きく聞こえる。


早くこの場から離れたくて仕方がない。だけど、ちゃんと決着をつけなきゃいけない。



悲しませるか。それとも怒られるか。


いろんな覚悟はしていたけれど。



「ほぇ。なんで?」



返ってきたのは、きょとーんとした感じの声。


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